光散乱Q&A

■ 光散乱Q&A(第28回)2016年11月実施

 

● 「光散乱基礎講座『電気泳動光散乱の基礎』」木村 康之先生

Q.Zeta-Potential が、「正」「Neutral」「負」 それぞれの場合の電荷のイメージを教えてください。
また、絶対値の大きさによる違いも教えていただけるとありがたいです。


Q.大きな粒子の測定(10µm~)は、どの様に考えればよいのでしょうか?


Q.微粒子分散系のゼータ電位について、非イオンの分散剤を用いて粒子を分散させた系でゼータ電位を測定すると、しばしば負の値を示すことがあるのですが、その理由を教えていただけますか。
粒子表面の水和水の解離によるものと考えてよいでしょうか?


Q.溶液の電解質濃度が高い条件(~2M)でタンパク質(酵素系)のゼータ電位の測定は可能でしょうか?
どの程度の電解質濃度まで測定できるものでしょうか?


Q.炭素粉末のゼータ電位測定は可能でしょうか?
過去に測定したような条件などがわかれば知りたい。


Q.高濃度にしていったとき、「0」に収束せず「負⇒正」へとゼータ電位が変わることがあり得ますか?


Q.界面活性剤、分散剤の添加によるゼータ電位の測定結果は、再現性は高いのでしょうか。
又、再現性は添加剤濃度に関係しますか?


Q.「+」と「-」のチャージが混在するコロイド粒子であり、かつ、1粒子毎に「+」と「-」のチャージの割合に偏り(違いや分布)がある粒子(数十~数百nm)のゼータ電位の測定に関して、
・滑り面を測定するゼータ電位(電気泳動移動度)の数字に信頼性はあるのか?(滑り面をきちんと測定できるか?)
・粒子全体の平均値で評価していいのか?
・信頼性が怪しいというのであれば、(おそらくチャージの偏りは標準偏差等でおおよそ把握できるともうのだが)どの程度の標準偏差であれば信頼できる数値といえるのか?


 

● 「電気泳動移動度からゼータ電位の求め方」大島 広行先生

Q.Henryの理論に、「粒子の分極ポテンシャル」の項がありますが(P2-14)、粒子はかなり強い電場をかけないと分極しないのではないかと思います。低電場下ではどう考えたら良いのでしょうか。


Q.「ゼータ電位>50mVでは、電気二重層内のイオンが粒子の泳動に追随できなくなり、電気二重層が分極(緩和効果)が生じる」と聞いたことがあります。今回のお話で「粒子表面に沿ってイオンの流れが生じる」という話があったと思いますが、もう少し詳しいことをお聞きしたいです。


Q.柔らかい粒子のゼータ電位が意味を失うというのは、正しい式に入れなければいけないという事でしょうか。
それとも、柔らかい粒子においてはゼータ電位という物性値そのものが意味を持たないという事でしょうか。


Q.柔らかい粒子では、ゼータ電位そのものが意味を失うということはどの様なことなのか。 表面(粒子の周りの)電荷は測れない? 「測定できた値=ドナン電位」で、結局粒子の表面電位と思えるが違うのでしょうか?


Q."Debye-Buecheモデルの高分子セグメントの定義について、モノマー1つを抵抗点にする等では、 「γ=6πηaNp」は変わってくるか? また、ほとんど影響しないのか、教えていただければ幸いです。"


Q.液中のバブルに働く抵抗力は、「4πηSaU」でかけて、剛体球と係数が「2/3」異なるのですが、ゼータ電位計算の式と何か関係がありますか?


Q.柔らかい粒子、剛体粒子とは、どの様に区別するのですか?


Q.「柔らかい粒子」は細胞以外には何が入りますか? (ミセル、リポソーム、ハイドロゲル、タンパク質・・・)


Q.実用的にはゼータ電位の測定は、電位の絶対値が大きくなる条件を探すために使うと思います。 どの式を使うかにより、この検索は有意に影響を受けますか?


Q.同じ電気泳動移動度で、剛体粒子と柔らかい粒子のゼータ電位を(各粒子に合う計算式で)計算した時、どれくらいの数値差が出るのでしょうか。


Q.「緩和効果」について
ゼータ電位が高いと電気二重層が変形する、とのことでしたが、「異方的な粒子で電気二重層が特異な形をしているためにゼータ電位が大きくなる」ことはあるのでしょうか。
負電荷を有するはずのナノ粒子表面を異方的に修飾(被覆)すると、ゼータ電位が(ca. -20mV ⇒ ca. +50mV)と変化する結果が出ており、解釈に困っています。


Q.細胞や培地中に分散したリポソームなど、粒子径をはかるとき、培地成分が邪魔をして測定できません。(培地に多量のアミノ酸など含まれているため) 測定方法があれば、教えていただきたい。


Q.未知の物質のゼータ電位を測定する際、その式を選べばいいかわからない。(例えば複合粒子など) どの式が適切かを判断するにはどうすればよいでしょうか?


 

● 「温度勾配がある系におけるレーザ干渉法を用いた分子拡散測定」喜多 理王先生

Q.デキストランは尿素と相互作用しているようですが、デキストランと尿素のSTの温度挙動は同じでしょうか?


Q.水中の糖類のSTの挙動に水素結合の相互作用によって発現しているが、それは水素結合の形によるものなのか、クラスターを作っているから、それが拡散に影響を与えているのか、どの様にお考えでしょうか?


Q.ご想像で結構ですので、生体高分子の負のソレー係数の物理的意味をお教え下さい。


Q.J1=ρD▽c1-ρc1DT▽T ・・・(1) において、 ▽Tが泳動力となることを分子の熱運動から説明できますか? 単純にある温度における平均運動速度を考えた時に、低温側から高温側で平均運動速度が大きければ、ソレー係数STは正になると思います。 (負の場合は単純でないとのご講演だと思いますが、正になる場合の基本的なイメージをご説明ください。)


Q.プルランの「St」が42℃で正負逆転するのは、水の運動性が大きく変化する温度だからと考えてよいですか?
水の「T1」は温度とともに連続的に増大しますが、40℃と45℃で確かジャンプしたと思うのですが。


 

● 「刺激応答性ヒドロゲル微粒子の開発に必要な評価技術」 鈴木 大介先生

Q.網目構造のサイズを見積もる際、平均値を示していると思われるが、どれくらいのサイズの幅が生じているのか教えていただきたい。(測定誤差)


Q.小角散乱データの縦軸の「cm-1」は、何を意味している単位ですか?


Q.SEM観察に用いたイオン液体の例をいくつか知りたいです。


 

● 「水溶液中のDDSナノ粒子の散乱法による構造解」 櫻井 和朗先生

Q.小角散乱から結晶構造解析、モデルを組むというのは難しいのでしょうか。


Q.会合数はどの様に求めたのかが良く分からなかったです。


Q.二次凝集体はどの様に消すのでしょうか。


 

● 『光散乱法の基礎と応用』及び光散乱全般、柴山先生、佐藤先生、岩井先生、木村先生

Q.「1/κ」は、どの様に測定するのでしょうか?


Q.DLSの自己相関関数と周波数解析の違いを、「メリット」「デメリット」と分けて知りたいです。


Q.光散乱法の今後の未来はどの様になるのでしょうか? 今後、光散乱はどの様に発展し、使用されていくのでしょうか?