光散乱Q&A

■ 光散乱Q&A(第30回)2018年11月実施

 

● 「光散乱基礎講座『動的光散乱法』」柴山 充弘先生

Q.トルエン溶媒中で、モノマーからポリマーを合成しています。このポリマーの大きさ(分子量)は幅広い分布を持つと考えられます。動的光散乱でポリマーの大きさを知ることは可能でしょうか。


Q.ある波長の光に対して散乱帯のサイズを変化させると、レイリー散乱の領域では、散乱光が波長に依存するのに対し、ミー散乱の領域では波長に依存しなくなるのはなぜでしょうか。


Q.測定には、濃すぎる状態の分散液と、DLS測定に適した濃度の希釈液で、ソルベントショック等で粒子径が変わったかを確認する方法はあるのでしょうか。


Q.ラテックス・エマルジョン液で、100nm~300nmで青く見えるのはなぜでしょうか。


Q.二次元異方な形状であるナノシートのサイズ測定としてDLSを用いることはできますか。
また、その粒径を実測の粒径に換算する手法は存在するのでしょうか。


Q.顕微動的光散乱で、デプス方向の測定ではどのようなデータがみられるのでしょうか。


Q.スライドP41で、ゲルの揺らぎの静・動分離の方法を詳しく説明していただけるとありがたいです。


Q.ゲル化解析のところで、架橋剤が消費されていくと同時に屈折率が変化すると思うのですが、屈折率変化は考慮しなくてもいいのでしょうか。


Q.キュムラント解析とCONTIN解析を、同一粒子測定で直接比較した結果があれば示してください。
二様分布系の場合、どの粒径のものが、どれくらい分布しているのか判別できないということですか。


Q.スライドP27で、Dの濃度依存性がDLSとNMRで傾向が逆になっているのはなぜでしょうか。
(本当の粒子の動きやすさ(真値)は、DLSの装置でもNMRでも同じはず)


Q.プローブ法でゲル中の粒子を見るとき、粒子の動き(D)とローカルな粘度(η)の区別はつくのでしょうか。


Q.蛍光相関分光法でも拡散が見えると聞きましたが、顕微DLSと似たようなものと思って良いでしょうか。
(散乱理論を蛍光に当てはめても良いのでしょうか。)


Q.静的散乱とレーザー散乱回折法は同じでしょうか。


Q.(顕微動的光散乱や)FPAR-1000のように、高濃度でDLS測定できる機器はどうやって多重散乱を考慮しているのか。


Q.散乱理論を解くときに必要な分極率(屈折率)は、溶媒のみか、系全体のどちらを採用するのでしょうか。特に濃厚系を扱うとき。(粘度は系全体で良いと思いますが。)


Q.顕微動的散乱では、特に高濃度では内部の粒子が見えにくいので、壁(ガラス)との相互作用(静電的引力)により、見かけのD(拡散係数)が下がり粒径が大きく見えるということはないのでしょうか。 →ゼータ電位測定への応用?


Q.動的光散乱法の測定条件について、散乱角度はサイズの大小の測定に重要と分かったが、散乱強度の情報からどの角度が最適と考えればいいのか。


Q.高温でDLS測定をする際に、ゴミもしくは気泡由来の大粒子の影響が観測されてしまいます。
ポリマー孤立鎖の測定をするためには、出来るだけ大粒子の影響を排除したいのですが、セル・溶媒の洗浄以外の効果的な方策はありますか。


Q.濃度効果があるので、なるべく薄めたほうが良いとありましたが、目に見えないレベルのナノ粒子が存在しなければ測定はできないと思われます。 そこで、レーザーポインタ等を当ててチンダル現象が見られれば測定可否がわかるのでしょうか。


Q.粒子の形状や粒径によって、角度依存的に散乱強度が変わってしまうため、正確な分布の比率が出せないということでしたが、もし光源と検出器の角度が固定されており、2種の粒径を有する試料であった場合、散乱強度の比率を算出して、正確な分布を出すことはできないのでしょうか。


Q.測定したい試料が多様分布(三様、四様・・・)である場合は、DLSで粒径分布測定できるのでしょうか。
また、解析時には散乱強度の角度依存以外に気を付けるところはありますか。


Q.相関関数のプロットをフィッティングするときに、どの程度フィッティングが合っていれば良いのでしょうか。
実験時にτが大きいところでフィッティングが全く合っていないものが出てきてしまいます。


Q.DLS測定で得られる「個数分布」というデータは粒子の大きさに大きく依存した散乱強度を補正することで粒子の数の比を算出しているものなのでしょうか。


Q.スライドNo.35で、340nmの粒子が振動して、50nmの粒子が振動していないのは何故でしょうか。


Q.相関関数から分布関数を求めた場合、横軸のΓ-1の分解能(きざみ幅)はどのくらいが見込まれるのでしょうか。 (分布がある場合の分解能)


Q.油に界面活性剤を溶かして見た目には透明な液体にしてから水を加えて水の粒径を測定するとき、入力値(屈折率と粘度)は油ですか、それとも油と界面活性剤の混合系の値でしょうか。


Q.水と油を乳化してW/O エマルションを調製しますと、水単体、油単体とも異なる粘度(高粘度)の乳化物となります。この液滴径をDLSで測定する場合、入力する粘度は油単体、乳化物のどちらでしょうか。


Q.ゲル状の異物と粒子が混在しているもの(スラリー)をDLSにより測定は可能でしょうか。 粒子サイズはナノサイズであり、ゲル状異物はかなり大きいものと想定している。定量は難しいことは承知しているが、ゲル異物が多いものと少ないものを比較して、相対的に評価することは可能でしょうか。


Q.カーボンブラックの分散体を、レーザー回折法で測定するとピークがブロードで、D50%:160nm~170nmだったサンプルが、動的光散乱法で測定した際、D50%:130nm~140nmで、そこまでブロードにピークが出ませんでした。
この差は希釈濃度によるものなのか、レーザー回折と動的光散乱でここまで差が生じてしまうものなのか、教えていただきたいです。


Q.ゲル解析に興味を持ちました。
講演の中では、ゲル化のスピード情報を把握できるような印象を受けましたが、ゲルの網目の大きさの情報や、ゲルの膨潤・収縮などの評価にはDLSは活用可能なものでしょうか。


Q.吸収のある粒子(カーボン系、墨汁、CNT)でも、後方散乱法なら問題なく測れると考えてよいでしょうか。 吸光度情報による補正などできるのか。(透過法の場合)


Q.P47のGold Particles n=0.18とあるが、前ページのそれは n=0.14です。 n=0.18ですか?


 

● 「光散乱法の基礎と応用/散乱全般」

Q.光散乱法にて粒子の性状の分析は可能でしょうか。
(同じサイズで分子構造が違う、結晶構造が違うなど)


Q.顔料の分散性を測定する際(ELSZ-2000使用)、注意が必要な点や、測定結果で考慮すべき点があれば、教えていただきたいです。
(例えば、〇色だとこういった結果になりやすい、などあれば)


Q.ラテックス、エマルジョン、コロイド、ディスパージョンの違いについて教えてください。
(ラテックス=エマルションで扱われることが多い。
・液/粒子の界面の状態なのか
・粒子の材料、物質の違いなのか)


Q.粒径(D)の分布は、自然対数でガウス分布になるのはどうしてですか。
ガウス分布


Q.解析方法で、粒度分布が大きく変わってくると、講演の中でもお話がありましたが、解析がちゃんと出来ているかどうかの判断基準はあるのでしょうか。


Q.実験的に「十分希薄」であることを確かめる方法を教えてください。 散乱強度が弱いサンプルでは、濃度を高くしたい場合もあるので、限界を知りたい。


Q.二次の時間相関関数が実験結果として、溶液でも2から始まらず、1.5や1.4あたりから始まることがあるが、どのように解釈したらよいのか。


Q.1~30nm程度のナノ炭素材料の粒径をDLSで測定していてるが、希薄(10ppm)かつ高粘度溶媒中での測定ができない。
何か良い対策があればご教授いただきたい。
(溶液濃度が変わるとソルベントショックで粒径が変わる可能性があるので避けたい。)


Q.DLSの解析モード、キュムラント法、CONTIN法、NNLS法、Marquardt法の選び方についてアドバイスをお願いします。どれを選べばいいか迷ってしまいます。
(昨年も同様の質問があり、下記の回答をホームページに掲載しています。)


 

● 「超音波散乱法による微粒子分散系の構造とダイナミクス」則末 智久先生

Q.q - 依存性を測定して、形状などの情報が得られますか。(超音波散乱法で)


Q.ピッカリングエマルジョンにおいて、シリカ粒子が液滴上で動いているダイナミクスは観測できるのでしょうか。


Q.10~15ページでご紹介いただいた、音波の反射の動画のシミュレーションはどのようなソフトウエアで行っているのでしょうか。
我々でも見ることは可能なのでしょうか。


Q.分散液中の粒子の横波音速が判れば、弾性率が求められるとのことですが、減衰法で横波音速をどのようにして測定されているのでしょうか。


Q.凝集体が超音波などでほぐれてしまうようなイメージがあるが、DSS法によって状態が変わってしまうことはないのか。(光の測定とは違って。)


Q.高粘度中(溶媒+樹脂+粒子)の粒子分散状態を評価することは可能でしょうか。


Q.コアシェル構造のコア部の物性を知ることは可能でしょうか。(架橋度や密度など)


Q.弾性率測定との組み合わせに興味があるのですが、スライド34 溶媒と粒子の足し合わせにならない理由がよくわかりませんでした。


Q.シェルが分子の場合も測れるのでしょうか。
今回の話し


Q.コアシェル粒子のシェル厚さの解析等を紹介されておりましたが、たとえば粒子表面を修飾・架橋した微粒子の表面厚さや、表面のみのレオロジー測定などを超音波で解析することはできるのでしょうか。


Q.コアシェル粒子のシェルの厚みとしては、何nmまで解析可能でしょうか。


Q.中空粒子のシェル厚みの解析データがありましたが、シェル種やコア種が何であっても解析可能なのでしょうか。
屈折率や粘度など測定に必要なパラメータは何でしょうか。


Q.この技術は、装置化してだれでも測定できる状態でしょうか。


 

● 「コロイド粒子の電気泳動と凝集速度を考える」小林 幹佳先生

Q.DLVO理論に溶媒中のプロトン濃度はどんな影響があるのか。


 

● 「深海極限環境にヒントを得たボトムアップのナノ乳化プロセス」出口 茂先生

Q.O/W から W/O、D/O/W (?) 等、他の乳化系への適応は可能でしょうか。また可能性はありますか。


Q.グリセリン、ポリマー等が配合された場合の課題等はありますか。


Q.ボトムアップの乳化について、他の例はありますでしょうか。


Q.ナノエマルションの調製としては、相転移を介した手法でも小さな粒子が得られやすいかと思いますが、そのような手法と比較したMAGIQの利点等があれば教えてください。


Q.カーボン系の素材や、疎水性超分子等もMAGIQのシステムで、超臨界水に溶解させられるのでしょうか。


Q.ボトムアップ法での粒径の上限はあるのでしょうか。
(粒径コントロール)
種として、200nmくらいのエマルションを大きくするのは別プロセスで考えたほうが素直でしょうか。


Q.乳化剤量と粒子径のグラフで、乳化剤量が多くなると粒子径が大きくなっているのはなぜでしょうか。
(乳化剤量には最適量があり、過剰に加えると逆に粒子径は大きくなる?)
また、それはトップダウンの乳化でも同じことが起きるのでしょうか。


Q.MAGIQの冷却はどのように制御されているのでしょうか。 水相の温度、流速・流量なのか、チラーのみなのか。


 

● 「酸化還元高分子によるナノメディシンの設計」長崎 幸夫先生

Q.活性酸素の濃度の求め方など分かっているなら教えてください。
(昔現役の時代にはまだ確定していなかった様に思いますが。)


Q.TEMPOブロックコポリマーについて、
・デメリットはないのですか。(生体への悪影響等)
・水素水も悪玉活性酸素のみをターゲットとするものですが、水素水との比較のデータはありますか。
・水素水と比べた際の強みは何でしょうか。