光散乱Q&A

■ 光散乱Q&A(第31回)2019年11月実施

 

● 光散乱基礎講座「電気泳動光散乱の基礎」木村 康之先生

Q.”白濁したもの”、”粘性の高いもの”を測定したいときに、薄める以外に何か手はありますでしょうか。
粒子状態が変わる可能性があるために、なるべく薄めたくないと考えております。


Q.コロイドのような球状ではなく、板状や繊維状など、特にアスペクト比の大きな粒子の電気泳動光散乱法で得られる結果について、
 1.拡散係数は粒子相当径の並進拡散係数と考えてよいですか。
 2.電気泳動移動度は形状を補正する必要はありますか?


Q.粒子サイズが、5nm~10nmの金属コロイド粒子では、粒子濃度が高いと凝集するものでしょうか?
凝集する場合、粒子サイズからどれくらいの濃度が適切だと考えられますか?


Q.光散乱を測定するのに最適な濃度はどれくらいになるか?(個/体積)
多重散乱は避けたいが、2つの粒子の相対的な揺らぎが測定できる程度は必要になるのとこと。
散乱強度の問題もあるが、理論的な最低限必要な濃度を知りたい。


Q.実際の濃度は、より複雑であることが問題である。
例えば、極性溶剤、非極性溶剤で粒子のゼータ電位(エネルギー障壁)はどうなるのでしょうか?


Q.非極性溶媒中では、電気二重層ができてない。
低誘電率溶媒用セルユニットで測ったゼータ電位の値は何を示しているのか。


Q.ホログラムでの手法では、どのようなサイズまで見られるのか?
(300nm~10nmあたりは可能でしょうか?)


Q.ホログラム像から粒子の形を再構成できますか?


Q.「散乱光強度∝粒子径の6乗」ということから、例えば10nmと100nmといった大小の2種類の粒子を混ぜた分散系において、大きな粒子しか検出することが出来ないということは起こらないのでしょうか?
(大小を別のピークとして正しく検出可能なのでしょうか?)


 

● 「ハイドロゲル微粒子の機能化と界面動電現象」鈴木 大介先生

Q.ゲルの構造を変えて柔らかさのパラメータが変わるということは、ゲルの構造が変わると電気浸透流が浸透しやすさが変わっているという理解でよろしいでしょうか。


Q.大島の式は、中にコアがあるが、今回は全部がゲルだということは、中の構造があまり本質的ではない、何でも良いということでしょうか。


Q.前半は機能化というお話でしたが、後半のモデル粒子を活用した応用展開は何かありますか?


Q.ゲル微粒子の表面電荷密度の求め方を教えてほしい。


Q.「DLSで得られる粒子径と、光学顕微鏡・電子顕微鏡・AFMで得られる粒子径が完全に一致することはなかった。」とテキストにありますが、どのくらい差があったか、差し支えなければ、アバウトで良いので知りたいです。


Q.ポリスチレンコアのような粒子のシェルに、4分岐ポリマーからなる均一なゲル層を付与した際に、本日見せていただいた結果と、同じような結果になるのでしょうか。


Q.コアのないソフトなゲル粒子(京大秋吉先生の自己組織化多糖ナノゲルなど)も、大島の式を適用して、ゼータ電位を議論すべきでしょうか?
また、今あるゼータ電位測定機(易動度からゼータ電位を求めるもの)で、上記のようなゲル測定を測定して得られた値では、どの程度のことが分かるのか。
(表面の電荷の正負のみ? 電位の絶対値の大小関係は議論できない?)


Q.柔らかさパラメータを、高分子と溶媒の相性(良溶媒、貧溶媒)による高分子鎖の広がりの測定に使うことは可能でしょうか?


 

● 「銀ナノインクを用いた超高精細配線印刷と散乱計測」長谷川 達生先生

Q.銀コロイドを使用されているが、銀以外の金属で今回のような方法を使って分散されるようなスラリーを造ることが出来る可能性はあるのでしょうか。


Q.安定インク中の粒子分布に関して、10日・1ヶ月・3ヵ月と粒子が大きくなっている。
(SEM像から、おそらく500nmほどの凝集体として存在している?)
この凝集した、銀ナノ粒子は、そもそもインクとして利用できるのか?
また、これらの凝集は、不可逆的な凝集なのか?


Q.スライド12
銀の層が密な理由は何でしょうか?
基材との界面は化学吸着で密になる理由はわかるのですが、その上に(2層目以上の粒子)積み重なる粒子はなぜ密になるのでしょうか?
保護層の残物はどこにいくのでしょうか?


Q.スライド28、30、31
DLSの測定は、銀粒子+保護層を測定しているのでしょうか?
溶媒等により、保護層(オレイン酸)の「のび」「ちぢみ」が変わるでしょうか?


Q.細線印刷には基材の性質が重要そうに見受けられましたが、Cytop以外の基材(PETやポリイミド等)への応用可能性について、お考えはありますか?


Q.アルキルアミンが相互作用する銀表面が光活性化されたCOO-に化学吸着するのはなぜでしょうか?


Q.Agナノ粒子のサイズを制御(もっと大きなもの or 小さなもの)することは出来ますか?


 

● 「高分子の構造解析に有用な小角光散乱法について」牟田口 綾夏

Q.光学的異方性結晶の分布や方向性が、クロスパターンの広がりなどに影響してくると思うが、その点はどのように考えているのか。
また、どのような評価などに結び付くのか。


Q.スピノーダル分解で求めた周期構造の大きさ(ξ)は、実空間だとどの距離に対応するのでしょうか。


Q.スピノーダル分解について、使用している溶液は何でしょうか?
肉眼で見ても違いは分かりますか?
油溶性モノマー(油のようなもの)同士の混合溶液も測定可能ですか。


Q.レーザー光による小角散乱測定は素晴らしい方法です。
X線回折データとの同時測定データなどはお持ちでしょうか?


 

● 「DLSをより良く使うために」及川 英俊先生

Q.外部環境に応じて構造転移(球⇔ワーム)する系に対して、DLSでその転移の様子をとらえる際、注意すべき点はありますか?


Q.光吸収や蛍光発光の材料を使用していますが、測定条件を決める上で具体的に何に注意する必要がありますか?
また、粒径が正しく測定できているかの判断はどのようにすれば良いでしょうか?


Q.相対屈折率が「1」に近いと思われる試料(1g/Lで無色透明な微粒子分散系)のDLS測定に苦労しています。
水系の測定を前提とした場合、何か打開策はあるでしょうか?


Q.非球形粒子(角張った不定形)の場合、角の部分が散乱光揺らぎに影響するため、DLS粒度分布の結果に影響すると思いますが、どういう結果になるのでしょうか?


Q.光散乱法を用いて、高分子電解質(溶液)の凝集体や鎖の形態を解析することは可能でしょうか。


Q.緩凝集しているようなコロイド粒子が分散する挙動をDLSや散乱光で確認する場合、散乱光は減少すると思うが、測定値が増加することはあるのでしょうか。


 

● 「光散乱法の基礎と応用/散乱全般」

Q.光散乱以外の光(蛍光や吸収)を用いて粒子サイズの測定は可能ですか?


Q.静的光散乱のデータをSAXSの小角領域を補う目的で利用するのは問題ないでしょうか。
(長い棒状粒子の長さを知りたい場合など)


Q.ラマン散乱でDLSは可能でしょうか?
可能な場合、どのような光学系が必要でしょうか。
実際に検討されたことがあれば、課題などを知りたいです。


Q.後方散乱検出、低コヒーレンス法、顕微DLSと、DLSでも高濃度サンプルの粒径評価が可能となりましたが、各手法の使い分け方、メリット・デメリットを教えて頂きたい。


Q.ある単波長の光が、コロイド粒子にあたり散乱した時、その散乱光も同じ波長と考えてよいか?
(例えば、600nmの光の散乱光は、600nmなのか?)
散乱角によって変わる場合は、前方(20°や30°)の場合を教えていただきたい。
 ※コロイド粒子の場合を考えています。


Q.多重散乱が起こった時、波長は変わるのか。
また、散乱光強度は変化するのか。
(コロイド溶液測定時の濃度で悩んでいます。)