光散乱Q&A

■ 光散乱Q&A(第35回)2023年11月実施

 

● 光散乱基礎講座「静的光散乱法」寺尾 憲先生

Q.金属ナノワイヤのような大きな粒子(径:数十nm、長さ:数十µm)では、レイリー散乱の前提が崩れるので、ご講演のようなSLSの理論は適用できないでしょうか?径や長さの定量をしたいのですが、ほかに有望な手段がありましたら教えてください。


Q.混合溶媒中のポリマー分散状態(サイズ・形状)を見るのは難しいか?


Q.透析により正確な値が出せるとのことであるが、本当に正確であるのか?難しさは?


Q.単一溶媒中のを複数見て判断するのが良いのか、どのようなアプローチが良いか?


Q.水は屈折率が小さいために散乱の幅が少し広がり、測定が難しいというお話がありました。この点についてもう少し詳しくお聞かせください。


Q. 水系サンプル測定で、データを見るときの注意点や上手く測定するためのコツも何かあれば教えてください。


Q. テキスト1-23の(3)濁度の効果で、初期に散乱強度が低下する理由が理解出来ませんでした。もう一度説明をお願い致します。


Q.光学精製に遠心方がありますが、遠心力(g)が強すぎると良くないことはありますか?どの程度のgで遠心処理するのが良いでしょうか?


Q.溶液調製する際、溶けにくいサンプルはどうやって溶解させるのが良いですか?・高温にする・時間を長くする・攪拌する、何が一番有効でしょうか?低めの濃度でも時間を長くすると溶けるでしょうか?分解させずに良く溶かしたいです。


Q. 混合溶媒系はSLSでは不適とのことでしたが、あえてこの測定から選択吸着の状態・情報をえることはできますでしょうか?また、選択吸着について、別の測定手法はありますでしょうか?


Q.「小さな粒子の場合」や「大きな粒子の場合」という表現をされていますが、具体的な数値などはあるのでしょうか?


Q.<S^2>を正確に測定するためには、θ=0の光を解析するのが良いといった認識でよろしかったでしょうか?


Q.セルの洗浄はどのように行っているのでしょうか?


Q.第2ビリアル係数は分子間相互作用が分かるとご説明がありました。近年、医薬品で固体分散体化した製剤の開発が多いですが、こちらの分野への応用も可能でしょうか?


Q.SLS測定の散乱角度の設定の考え方…何度から何度まで、間隔/低角度領域では細かくなどありますでしょうか?
同様に濃度の設定…等間隔とするのか?希薄濃度領域であれば良いのか?


Q.SLSで測定する際に、分子量が非常に大きな場合(2000⁻3000万)の注意点や限界はありますか?


Q.高分子の分子量測定において、溶媒が水のみの場合は少し塩を入れると書籍で見ました。その時の適切な濃度はどのように決定するのでしょうか?DLSで粒子径を見たりするのでしょうか?


Q.分子量を測定する際の濃度で光散乱の強度は変わると思いますが、どれぐらいの差が適切とかありますか?


Q.分子量の小さい高分子についてはSLSで回転半径を求められないかと思いますが、X線を使用すれば可能でしょうか?SAXS測定のビームラインで測定できるのでしょうか?


Q.胆汁酸のような疎水面をもつ分子の凝集体の構造を知りたくSLS測定を行いました。測定方法に問題があるかも知れないのですが、上手くフィッティングが合わず構造が分かりませんでした。SAXS測定を行ってもピークが上手く得られませんでした。何かご助言をいただきたいです。


Q.パーコレーションの濃度依存性をSLSで測定することは出来ますか?


Q.DLSである角度(1つや2つ)測定で、散乱強度は測定でき、そこからSLSの一部情報を取り出して評価できたりしないでしょうか(dn/dcは分かりません)?何か簡便なDLS活用法はないでしょうか?ご紹介をお願いします。特に、A2などは、会合系では非会合系と明らかに異なり、おおまかに2体相互作用が見積もれると分子設計に生かされます。


Q.剛直な棒状粒子をSLSで測定して出てくる回転半径<S^2>と、実際の棒状粒子のサイズはどのような関係にあるのでしょうか?例えば、直径50 nm、長さ500 nmの棒状粒子を測定した場合、回転半径は500 nmと出るのか、もしくは50-500 nmの間の値として出ますでしょうか?


Q.着色サンプルの吸収の影響を補正する具体的な方法をご教示いただけないでしょうか。


Q.SLSとDLSの併用により会合体を解析できるのは、C*以下になるのですか?


 

● 「GPC-MALSを用いた分岐性の評価」外城 稔雄先生

Q.分岐評価をしたいが、バッチSLSでは分布の影響を除けず、GPC-MALSに頼ることが多い。ただ、GPCでは測定が難しいサンプルもよくあり、バッチSLSでの分岐評価を模索している。A2がMwと同じ重量平均になるか分からないが、A2で分岐を評価することは可能か?そもそもA2とはどういった平均値になるのか?


Q.様々な条件で測定可能なポリマーの分岐度は、どの測定条件でGPC-MALSを測定しても、同じような値になるのか?


Q.バッチ式とオンライン式の測定方法について具体的に知りたいです(どのような違いがあるのかあまり分からなかった)。


Q.分子ポリマーの固さ評価について言及されましたが、分子の大きさと重さと、固さの関係について教えてください。


Q.サンプルによると思いますが、DLSとGPCですと、測定時間(結果を得るまでの時間や前処理の時間)にかなり差が出ますか?


Q.天然高分子のような、比較対照のない物質でもGPC-MALSで分岐性を評価可能でしょうか?


Q.固有粘度が濾水性能と相関するというデータを示していただきましたが、
1.回転半径や拡散係数を固有粘度の代わりに用いても、同じ相関が出るでしょうか?
2.そもそもなぜこのような相関が出るのでしょうか?


Q.MwとRgのプロットで、Rgは何平均?また、平均分子量が100万以上であるが、GPCでサイズ分離されていますか?


Q.ポリマーの分岐の大小で、溶媒に溶かした際の粘度・レオロジー挙動にどのような傾向が現れるか、ご知見があればご教示いただきたいです。また、分岐の大きいものは、他素材への微粒子等の相互作用が大きいような気がしているのですが、そのような傾向はありますか?


Q.乾燥紙力剤ポリマー合成において、同一イオン組成で反応条件を変えることで得られるポリマー
1.反応条件とは?
2.どのような分岐構造(テキスト2‐4にあるような)のポリマーが得られると意図されたのか?


Q.分岐性評価されていたサンプルは、リニア~低・高分岐とありました。分布のある製品やMixture、不純物込みでもRg vs logMwなど評価できますか?


Q.ボトルブラシポリマー(くし形高分子)のSLSやGPC-MALSの測定により、ボトルブラシポリマーの溶液中における主鎖と側鎖の伸びきりの状態や屈曲性などを解析することは可能でしょうか?


 

● 「マイクロレオロジーの基礎と応用」井上 正志先生

Q.水の結果が予想と一致していることに感動しました。粒子径が大きくなると一致しなくなるのが気になりました。例えば、水をエチレングリコールに代えると上手くいくなどはありませんでしょうか?


Q.誘電からは回転運動を検出していると思います。これに対して、レオロジー測定からは単純ずりに対する応答を検出していると思いますが、単純ずりは回転運動と伸張運動の重なりで表されるので、G*(ω)は伸張運動の効果も含まれているのではないでしょうか?こちらも考慮して比較されていますでしょうか?


Q. ポリスチレン中のプローブの誘電緩和測定について、
1.どのような装置で測定されていますか?
2.試料サイズとプローブ濃度を教えてください。
3.回転ダイナミクスを表す測定値(単位)は何でしょうか?


Q.DLS:水での結果が描かれていますが、3 µmと10 µmの部分はサンプルの沈降など分散の状態によって変わることはないのでしょうか?


Q.DLSの使い方として、レオロジストから見た有効な使い方を教えてください。


Q.何度か口頭で出ていた、「コンプライアンスを求める」とはどういうことでしょうか?


Q.まとめ:一般化Stokes-Einsteinの式の妥当性のところで、非圧縮性の連続体とありますが、イメージが沸きません。具体例があれば教えてください。また、非圧縮性の連続体であれば、マイクロレオロジーが測定できないということでしょうか?


Q.誘電プローブの選定で、良いメーカがあれば教えてください。


 

● 「X線小角散乱を用いた水溶液中のナノ粒子の構造解析」櫻井 和朗先生

Q.ミセルに限らず、表面処理の鎖がコアに付着している場合の鎖の角度や分散の度合いは分かるものでしょうか?また、密充填した場合のとりうる角度を計算できるものでしょうか?


Q.SLSとSAXSの散乱が含む情報はほとんど同じであると思いますが、スケール間の違い以外で使い分けるケースがありましたら教えていただきたいです。


Q.高分子ミセルの安定性は、PEGを分岐鎖にすると上がるのではないでしょうか?


Q.会合数の大きいPlatonic micelleは逆ミセルになりませんでしょうか?


Q.多層ミセル(リポソーム様)はSAXSで構造解析可能でしょうか?


Q.FFFで分離されていましたが、水系であれば高分子ミセルはメンブレンフィルターがあっても問題なく分離できるのでしょうか?何か制限事項はあるのでしょうか?


Q.ミセル中の薬剤の分布を調べると、コアより少し外側まで存在する理由として、「コア表面のPEG鎖は脱水して疎水的なのでは?」とありました。実際にミセル中の水分布を測定したことはありますでしょうか(測定可能でしょうか)?


Q.ミセルを形成しているか確認する方法と、サイズの算出の仕方をご教授ください。


Q.ミセルの形成方法(例:医薬品でミセルを形成する可能性がある製剤)を体外で確認する方法があればご教授ください。


Q.マイクロ粒子の作成方法をご存知であればご教授ください


Q.GPCでミセルが吸着し壊れるとのことでしたが、吸着後、どういったメカニズムで壊れてしまうと考えられていますか?


Q.数nmと数十nmの粒子が混在する場合(分布不明)、大粒子である数十nmのナノスケール(数nm)の情報について解析することは可能でしょうか?


Q.今回はモデルフィッティングの解析を主に行っていたと思いますが、逆フーリエ変換(GIFT、 IFT)法と比較した際のメリット・デメリットを教えていただきたいです。


 

● 光散乱全般 世話人会

Q.粒子のサイズが出る=ポリマが溶解していないという理解で良いでしょうか?


Q.初学者なのですが、MALSが検出器の角度の数と精度の関係について教えてください。


Q.エマルション中の高分子の分子量は、どのような方法で評価すればよいでしょうか?


Q.DLSにおいて、ブラウン運動以外の要因(沈降や壁面への拘束)で粒子の動きが変わった場合、どのような影響がありますか?また、この影響を除くことは出来ますか?


Q.例えば、インクのような液中に粒子が分散した状態(固形分濃度が20%程度)で粒子径を測定したい場合、DLSだと希釈をしなければ測定できません。原液の状態で評価できる方法がもしあれば教えてください。分散状態が確認できるだけでも有難いです。