プログラム

■ 第33回散乱研究会(2021年11月)

10:00

11:40
光散乱基礎講座「動的光散乱法」  Q&A  
講師:則末 智久 先生(京都工芸繊維大学 材料化学系 教授)
本講演では、動的光散乱法の基礎と応用について説明する。はじめに光散乱現象の基礎を紹介し、静的光散乱法と動的光散乱法の違いにふれながら、動的光散乱法の有用性について述べる。その後、動的光散乱の理論、実験手法、データ解析法についてわかり易く説明する。さらに、応用研究の例とその解析方法など、最近のトピックスを紹介する。
11:40

12:00
光散乱基礎講座Q&A  
講師:則末 智久 先生
光散乱基礎講座についての質問コーナー。
12:00

13:20
休憩
13:20

13:30
大塚電子 散乱製品紹介 
大塚電子の散乱製品を紹介するコーナー。
13:30

14:30
動的光散乱法による高分子ゲルの協同拡散係数の解析  Q&A
講師:酒井 崇匡 先生(東京大学 工学部 マテリアル工学科 教授)
動的光散乱法は高分子網目の協同拡散係数の測定にしばしば用いられる。本発表では、均一なネットワーク構造を制御した高分子ゲルの拡散係数について紹介する。拡散係数は高分子と溶媒の混合による寄与と弾性による寄与に分解するができ、弾性の寄与は絶対温度の線形関数であり、大きな負の定数をもつことがわかった。この特徴は、最近発見された「負のエネルギー弾性」と形式的には同じであり、静的構造と動的特性の間に自明でない類似性があることを示している。
14:30

15:30
精密ラジカル重合を用いた刺激応答性架橋高分子の設計  Q&A
講師:伊田 翔平 先生(滋賀県立大学 工学部 材料科学科 講師)
高分子ゲルをはじめとする架橋構造を持つ高分子材料の機能化には、構造の精密な設計が求められる。我々は精密ラジカル重合技術を基盤として、架橋構造の工夫やモノマー連鎖の制御に着目したゲルの機能化に取り組んでいる。また、ミクロゲル状のコアに多数のポリマー鎖が結合した多分岐星型ポリマーについての研究も進めている。講演ではこれらの最近の事例を紹介し、散乱法技術を用いた構造解析の可能性について議論できればと考えている。
15:30

16:00
休憩
16:00

17:00
動的光散乱法のステイト・オブ・ザ・アート  Q&A
講師:岩井 俊昭 先生(東京農工大学工学研究院 生物システム応用科学府 教授)
動的光散乱法は、比較的簡単なホモダイン光学系によってシングルナノから数10ミクロンまでの広い粒径レンジで測定可能な粒質計測法として確立されている。近年、高濃度懸濁液の粒質計測に低コヒーレンス干渉散乱、高吸収性粒子の粒質計測に共焦点顕微散乱、散乱粒子の物質同定を行うためにラマン散乱を利用するなど新しい動的光散乱法が提案されている。本講演では、動的光散乱法のステイト・オブ・ザ・アートを紹介する。
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