光散乱Q&A

■ 光散乱Q&A(第34回)2022年11月実施

 

● 光散乱基礎講座「電気泳動光散乱の基礎」木村 康之先生

Q. 希薄系か濃厚系かはどのような基準で区別されますか?


Q. テキストP25でおいている仮定、k(r(t) - r(0)) << 1 の物理的意味はどのようなものでしょうか。


Q.球状粒子以外の大きさをEinstein-Stokesの式で計算すれば、どのように評価すればいのでしょうか。


Q.ドップラーシフトのパワースペクトル幅が拡散定数Dおよび粒子径サイズに相関する(テキストP34)とのことですが、粒子のゼータ電位分布を計測する術はあるのでしょうか?


Q.パワースペクトルの分解能は、どのパラメーターに影響されるのでしょうか。


Q. 多重散乱が起きていないかどうかはどのように判断したらよいでしょうか。


Q. 電気浸透流を考慮しない場合、ゼータ電位はどの程度変動するでしょうか。(サンプルにもよると思いますが)


Q. コロイド粒子数が増えるとゼータ電位は変化しますか?


Q.電気泳動測定の場合、時間相関関数ではローカルオシレーターの影響で振幅がかなり抑えられるかと思うのですが、実際の測定はパワースペクトルの測定をしているのでしょうか。 テキストP.38では時間相関関数もパワースペクトルも表示されていますが、どちらかを測定してフーリエ変換によって両方表示しているのでしょうか。


Q. 静的光散乱と動的光散乱の違いを伺いたいです。


Q. テキストP46で高電場下で振動しているように見られるのは何故ですか。


Q. 交流電気泳動光散乱法はどのようなサンプルに適しているのでしょうか。


Q. テキストP47のスペクトルから対イオンの電気的ダイナミクスに関する情報が得られるとのことですが、粒子に対する分散剤の吸着性の強さといった解釈も出来るのでしょうか?


Q. テキストP48のホログラムにおいて、「レーザーだとコヒーレンスが良すぎて良くない」という点がフォローできなかったのですが、LEDを用いなければいけない理由をご教示いただけますでしょうか。


Q. テキストP49の畳み込み積分について、積分範囲が-∞から∞までの積分になりますが実空間において∞までの観測が可能という理解でよろしいでしょうか


Q.ご講演中、光散乱の理論的な部分を教えていただいたのですが、散乱光強度の時間相関関数がIs(τ)Is(0)の掛け算でなぜ表されるのかわからずにいます。差し支えなければ、もう一度ご説明を賜ることはできますでしょうか。


Q.SLSでは高分子電解質の水溶液測定では分子間静電相互作用を遮蔽するための塩を加えないと測定が難しいと把握しておりますが、DLS、ELSについても高分子電解質水溶液の測定を塩を添加せずに行うことは難しいのでしょうか?


Q.分散の安定性はゼータ電位に依存し、溶媒中のイオンが重要とのことでしたが、海水中(Na+、Cl-)の分散安定性は純水に比べて改善するのでしょうか。


 

● 「Water-in-Oil型液滴の電気泳動移動度の決定因子」植松 祐輝先生

Q.聞き逃したやも知れませんが、net charge Qの由来をお教えください。水溶液をシリンジ等でOilに注入する際に持ってしまう静電気由来の様に思えます。 液滴の作り方にもよるのでしょうが、液滴ごとに同じような値にはならない気がするのですが。


Q.油に絶縁性がある場合、実験的には、泳動しにくいのですが、このような場合も確認できるのでしょうか。


Q.印加電圧により液滴内側に流れができるとのお話でしたが、液滴中での化学反応が促進される例の要因と考えられますか?


Q.「外側溶媒の誘電率が小さいことからDLVO理論を適用することは出来ず、・・・」とありますが、どのくらいの誘電率からDLVO理論の適用に問題があるとして議論されているものなのでしょうか?


Q.資料の中で、液滴径が十分に小さければ界面活性剤を加えなくとも数時間から数日間は安定であることが多いとありますが、一般的にどの程度のサイズでしょうか。
また、水-油系ではなく水-液体CO2系でも同様のことが言えるでしょうか。(ご知見があれば、教えてください。)


 

● 「濁った媒質での動的光散乱」石井 勝弘先生

Q. 100nm程度の粒子で多重散乱するような濃厚溶液のサンプルをDLS測定すると、100nmの粒子径分布に加えて、本来存在しないような10nm程度などに存在しないような小さい粒子径が得られてしまうことがあります。何故でしょうか?


Q. LCDLSにおいて、Is^2 g2(tau)が無視できない理由は何でしょうか。I >> Isが成り立てば無視できるというわけではないのでしょうか。


Q. Wall-drag効果により拡散係数が異なるということは、同じ粒子径をもつサンプルでも容器壁面近傍と容器中央の測定に差が生じるのでしょうか。


Q.PS粒子だとどれぐらいの濃度から多重散乱の影響を受けるのでしょうか?5%や10%のPS粒子は多重散乱の影響を受けると考えていいでしょうか?


Q.ミセルにも応用可能でしょうか


Q.共焦点DLSにおいてcoherence factorが1よりもかなり小さいようでしたが、この理由は何でしょうか。


Q.コヒーレンスで3種類の粒径のPS粒子を解析しているグラフがありましたが、それぞれの散乱光強度が合うように濃度調整をしていました。仮に99nmが多く存在していた場合など、散乱光強度が強い大きな粒子の存在割合が多く存在しても粒径は同じように測定できるのでしょうか。


Q.ご講演後の質問で、別の方が質問された内容がまさに今不思議に思っていることと似ていました。100nm程度の粒子で多重散乱するような濃厚溶液の測定をすると10nmなどに本来存在しないような小さい粒子系が得られてしまう。なぜでしょうか?というご質問だったかと思います。
このご回答の際、多重散乱が起こってゆらぎが速くなると、小さい粒子の単散乱と同じような揺らぎになってしまうとのご回答だったのですが、なぜ、多重散乱になると揺らぎが速くなるのでしょうか。そして、ゆらぎとは入射光の位相のずれという理解で構いませんでしょうか。


Q.粒子ではなく高分子溶液を測定し、拡散係数を測定することは可能でしょうか。
また、測定時間(時間分解能)はどの程度でしょうか。


Q.粒子ではなく、高分子の濃厚溶液を測定し、高分子の拡散係数を求めることは可能でしょうか。


Q.測定時間(時間分解能)はどの程度でしょうか。


Q.界面活性剤のようなミセル溶液の測定にも応用可能でしょうか。また、温度変化によって濁るものでも粒子径の測定は可能でしょうか。


 

● 「高分子ミセルの形成と崩壊」佐藤 尚弘先生

Q.SAXS測定のために溶液を希釈するといった操作はいらないのでしょうか。


Q.これまでのお話(光)では、測定のために溶液希釈するか、共焦点といった特殊な測定が必要とのことでした。SAXS測定は特殊な測定といったことでしょうか。(SAXS測定のために溶液を希釈するといった操作はいらないのでしょうか。)


Q.サイズはどのくらいかご教示いただけないでしょうか


Q.アニオン性、カチオン性界面活性剤のシステムでも同様の自己集合系形成・崩壊モデルで考察を行うことができるのでしょうか?高分子の場合と比べて時間スケールに違いはありますか?


Q.静的光散乱測定についての質問なのですがもし可能であればお教えください。
現在、静的光散乱測定にて合成した高分子の分子量および第二ビリヤル係数を測定しておりますが、第二ビリヤル係数とχパラメータはどのように使い分けたら良いでしょうか。どちらも溶媒と溶質高分子の相互作用を表すパラメータだと思いますが、それらの違いについてお教え頂ければ幸いです。


Q.SAXS散乱関数の時間変化(C→S)で分子量-慣性半径のグラフを示されていましたが、直線ということは時間経過とともにサンプルのモルフォロジーは変化しないということでしょうか?逆に点線の上に凸の場合はモルフォロジーが変化するということでしょうか?よろしくお願い致します。