プログラム

■ 第23回散乱研究会(2011年11月)

※研究会開催当時の所属を記載
  散乱基礎講座「静的光散乱法 -その基礎と応用-」
講師:寺尾 憲 先生 (大阪大学 理学研究科)
光散乱法は、高分子やコロイドをはじめとした、主に液体中のサブミクロン領域の構造を、非破壊的にかつ迅速に知ることができる手法である。講演では、静的光散乱法の原理、実験方法、データ解析法の基礎、および応用例について述べる。
  ブラシ状高分子の希薄溶液物性
講師:川口 正剛 先生 (山形大学大学院 理工学研究科)
光散乱、SAXS測定によってブラシ状高分子の希薄溶液中分子鎖形態についての研究例を報告する。特に主鎖、グラフト密度などの1次構造の違いが高分子鎖の拡がりにどのような効果を及ぼすのかについて報告する。
  動的超音波散乱法によるマイクロ粒子懸濁液のダイナミクス
講師: 則末 智久 先生 (京都工芸繊維大学 生命物質科学系高分子機能工学部門)
超音波の散乱現象に着目した新しい構造解析法を開発し、マイクロ粒子懸濁液の運動状態を調べた。本講では特に、微粒子のサイズ評価法と、流体力学的長距離相互作用についての最近の話題について述べる。
  液中分散ナノ材料のキャラクタリゼーション:
動的光散乱法、磁場勾配核磁気共鳴法、流動場分離法による多面的評価
講師:加藤 晴久 先生 (産業技術総合研究所 計測標準研究部門ナノ材料計測科)
ナノ分散液のキャラクタリゼーションは、新規材料開発の重要な評価軸・指針を与える基幹技術である。本講演では動的光散乱法、磁場勾配核磁気共鳴法、流動場分離法の異なる3種類の方法を用いた、液中ナノ材料の分散状態評価に関する最新の研究結果を紹介する。
  蛍光相関法の原理と細胞生物学における利用
講師:金城 政孝 先生 (北海道大学大学院 先端生命科学研究院)
蛍光相関分光法は一分子感度を有する溶液中の生体高分子測定法の一つであり、蛍光標識分子の大きさと分子数が得られる。この手法がどのようにして、生細胞における細胞内微環境や分子間相互作用の解析に用いられているかについて報告する。
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